夜明け前が最も暗い

何かを失った自分が、新しい自分を手に入れるまで。

歩き出す

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金曜日です。

ここ最近、前に付き合っていた彼女のことを思い出す。

それはきっと、今が上手くいっていなくて寂しいからなんだろうけど。

ただ、それを抜きにしても彼女に会いたいなと思う。

別れた原因は自分にあって、もう会えないとは知っているけれど。

失ったものはもとには戻らない。

私はいつも喪失者だった。

自分で蒔いた種ではあるけれど、失ったものが大きすぎて心身のバランスが取れない。

心には大きな空洞があって、そのパワーを持て余している。

ともすれば、自分ですらそのブラックホールに飲み込まれてしまいそうになる。

いっそ流れに身を任せてしまえば楽になるのかもしれないが、自己防衛の本能がそれを許さない。

新しい恋や仕事に挑戦してみたが、上手くいかない。

それは相手のせいでもあるし、自分のせいでもある気がする。

それとも根本的に何かが違うのか。

心の拠り所を探している。

でも、それはまだ見つかってはいない。

心は乾いていくばかりで、求めれば求めようとするほど潤いを失っていく。

それは喉の渇きを潤す為に塩水を飲むことに等しい。

求めても望んだものは手に入らなかった。

過去も未来もない。

あるのは今だけ。

失うものはないが、得るものもない。

それでも生きているのは本能なのか。

あの頃が忘れられない。

楽しかった思い出ばかりではないはずなのに。

孤独は人を狂わせる。

でも、泣けもしない。

歩き出す。

走り出すことはできないが。

今はまだ諦めるには早すぎる。

というよりも、諦めることも努力することも今の自分にはどちらも難しいからかもしれない。

あと1回だけ、あと1回だけだと自分に言い聞かせる。

歩く。

歩くことしか今の自分にはできない。

でも、それは自分にとって唯一最善最大の行動なのだと思う。

少しずつ、痛みを抱えながら、苦しみながら、もがきながら、迷いながら…。

そして、歩き出す。

 

金曜日