夜明け前が最も暗い

何かを失った自分が、新しい自分を手に入れるまで。

灰とグレーと曇り空

今は夜中の1時で、この記事を書いている。

私は今、31歳の男性で独身だ。

仕事に疲れ、ようやく休みを迎え、今スマホと向き合っている。

いつからか生活に色がなくなってしまった。

全ては灰色でグレーで、曇り空のような色をしている。

理由は知っている。

日常が楽しくないからだ。

今年の四月から異動になって、新しい環境で仕事をしている。

業務量は決して多くはないが、零細企業特有の説明不足と持ち前の要領の悪さで毎日苦戦している。

慣れない仕事は辛い。

ここ最近、毎日帰って寝るだけの生活をしている。

仕事が辛いだけではない。

一番辛いことは未来が見えていることだ。

私は何度か転職を経験している。

長く続いた仕事はあまりないが。

今回もあまり長くこの仕事は続けられそうにない。

いつも辞める時の判断基準は、「この会社にいて俺は幸せになれるか?」だ。

将来性を感じなくなった瞬間に自分の心は停止する。

それと連動して身体も力が入らなくなり、やる気が出なくなる。

今もそんな感じだ。

未来が見えるのはそれだけじゃない。

恋愛もそうだ。

マッチングアプリを長く続けている。

長く続けているとある種の傾向が見えてくる。

それは全ての人にあてはまる訳ではなく、あくまで自分自身にしかきっとあてはまらない。

こうなると大体フェードアウトするとか。

この人は他のアプリでも見たなとか。

だからある程度展開が読める。

展開が読めるなら改善できるだろうとも思うだろうが、それは違う。

例えば、未来がわかって隕石が落ちてくるとしよう。

それを防ぐことはきっと出来ないだろう。

また、目の前に車が迫っているとする。

それもわかっていても避けることは出来ないだろう。

そんな状況なのだ。

未来や展開がわかっていても、それを変える力が自分にはない。

だから、辛い。

色々なことを経験してきた自分だからこそわかるのだ。

ならば、自分のまだ知らない新しいことを始めるに限るが、仕事が大変過ぎて、新しいことを始める余裕も気力もない。

そんな毎日を過ごしている。

好きだった旅行もよく観ていた映画も今はどちらも出来ていない。

本題についてだが、しかし、その仕事を選んだのは自分だ。

それこそ私は迷いながら人生を決断してきた。

ただ、これまでの選択が正しかったとは思わない。

3番目に入った会社は明らかにブラックだったし、今の会社も十分とは言えない。

しかしながら、それがその時の私の「ベスト」だった。

誰に何を言われようが、それは変わらない。

私は私の中で考え、迷い、決断したのだから、それは正しい答えなのだ。

たとえそれが、結果的に失敗だったとしても。

だから、私は私のことを責めないし、誰のせいでもない。

でも、だからこそ辛かったりもする。

これからも迷うし、決断していくと思う。

きっとそれは変わらない。

ただ、そのせいで(そのおかげで)自分は多くのものを失い過ぎた。

それらのものはもう取り返せないし、考えない方がよいのだと思う。

迷うことも大事だが、決断した後に私のような灰人になってはいけない。

もとには戻せないものもあるのだから。

失った自分が本当の自分だという人もいる。

きっとその人は何も失っていない人だ。

むき出しのまま生きれるほど人は強くはない。

服を着るのはその為だ。

綺麗事を言うつもりはない。

むしろ、私の人生に綺麗事なんてなかった。

いつも失敗と挫折と挑戦を繰り返してきた。

上手くいっている人との違いは、そこに成功がなかったことだ。

いずれにせよ私は喪失者だ。

何かを失いながら生きている。

正直、生きている方が幸せなのか、いっそ死んで楽になった方が幸せなのか、それはわからない。

わからないから生きているということもある。

迷うのも結構、決断するのも結構。

ただ、何もかも失ってもいいというのは違う。

まぁ、普通の人は恋人や家族がいたりするから、そんな心配は無用であると思うが。

そろそろ眠くなってきた。

今はただ静かに眠りたい。

願わくば目が覚めないことを願う。

それともこの世には夢よりも良い現実があるのか?

わからない。

わからないから、もし夢から覚めたら考えよう。

今はただ耐えるだけ。

それだけが今この時点での最良の選択。

なのか?