ウツボカズラの悲しみ
ある大きな森に1本のウツボカズラが生えていた。
ウツボカズラは孤独だった。
いつも森の隙間から空ばかり眺めていた。
ある日のこと、ウツボカズラの葉に1匹の虫が止まった。
虫はずっと飛び続けていたので、休む場所を探していた。
ウツボカズラは虫に自分の葉に止まって休むように勧めた。
それならお礼にと虫は森から動けないウツボカズラに森の外の話を聞かせた。
ウツボカズラも虫の話を熱心に聞き入った。
その日以来、ウツボカズラと虫は友達になった。
いつしかウツボカズラと虫は来る日も来る日も話をするようになった。
冷たい雨の日も、強い風の日も、暑い太陽の日も。
1本と1匹はいつも一緒だった。
そんなある日、いつものように話をしようと虫がウツボカズラの葉に止まった。
しかし、ふとした拍子に虫は葉から足を滑らせ、ウツボカズラの袋の中に落ちてしまった。
袋から出ようにも袋の中はつるつると滑っていて虫は登ることができなかった。
ウツボカズラはうろたえた。
ウツボカズラの袋の中には虫を溶かす消化液が入っていたからだ。
しかし、うろたえればうろたえるほど消化液がますます出て、袋の中にいる虫を溶かした。
ウツボカズラが消化液の涙を完全に出し尽くした頃、ついに虫は完全に溶けてしまった。
ウツボカズラは唯一の友達をなくした。
自分の出した消化液で唯一の友達を溶かした。
ウツボカズラはまた孤独になった。
ウツボカズラはもう虫から森の外の話を聞くことはできない。
ウツボカズラの葉に虫が止まることはもうない。
その夜、ウツボカズラは白い花を咲かせた。
それは大きな森では決して目立たない、あの虫のように小さな花だった。
マイルーム
今週のお題「お部屋自慢」
↑こんな部屋が理想!
昨日は気付いたら寝てしまっていて、ブログの連続更新記録も途絶えてしまいましたー(T_T)
さて、今週のお題は「お部屋自慢」ですが、私の今住んでいる部屋は自慢できる部屋ではなく、むしろこうなったらいけない!って感じの部屋です。
なぜなら圧倒的に物がないという。
どのくらい物が無いかというと、部屋で友達と電話をしていた時に、(遮蔽物がないので)声が響きすぎて「今、どっかのドームにでもいるの?」と言われた程です(^_^;)
決してミニマリストという訳ではないのですが、もともと物に固執しない性格と幾度かの転職による引っ越しが合わさった結果、極力物を置かない(買わない)ようになりました。
なので、今の部屋には本当に必要最小限の物しかないです。テレビもないです。
よく本棚や部屋はその人自身を表すと言いますが、もしかしたらその通りなのかもしれませんね。
割とこうなると色々とヤバいので、あえてお題に反した記事にしてみました。あえてね。
それでは今日はこの曲でお別れです。では、また〜_(┐「ε:)_
恋ができない
昨日、ラブレターについての記事を書いたり、他の人の記事を見ていて思ったのだが、私は久しく「恋」をしていない。
子供の頃はそれこそ恋をしていた時期もあったが、大人になった今はない。
少なくとも純粋な恋はしていない。
以前に彼女はいたことはあるが、好きで付き合った人は少ない。
相手には大変失礼であるが、一人が寂しかったり、性欲が優っていたりして付き合った人が多い。
だから、ことが済むと途端に虚しくなることがある。
でも、情が出てくるから別れることもできない。
それでも、やっぱり好きではないから本当の意味では相手を愛していないし、愛せない。
そうするとそもそも「恋」ではないのだから、「恋人」ではないのかもしれない。
こんな関係はお互いを不幸にするだけだろう。
もしかしたら、自分は恋愛に向いていないのかもしれない。
以前付き合っていた子とは漠然と結婚するんだろうなと思っていたが、幸か不幸か転職を機に別れてしまった。
そんな自分だから、友人とかで結婚したカップルを見ると煽りではなく本当に感心というか感動する。
普通に恋をして、普通に結婚することが私にはどうも信じられない。
好きな人ならば四六時中一緒にいることも耐えられるのだろうか。
両親も仲が悪い訳ではないが、おしどり夫婦って程ではないので参考にはならない。
もう30歳になっているというのに恋愛というものが自分にはよくわからなくなってきている。
そもそも30歳でも恋愛ができるのだろうか。
相手の容姿や性格、ステイタスを抜きにした恋愛なんてあるのだろうか。
いや、むしろ相手の容姿や性格、ステイタスがあるからこそ人を好きになるのだろうか。
運命がどうとか、白馬の何とかがということではなく、私はただ普通に恋がしたい。
みんな、どうやって恋に落ちているのだろうか。
写真は全く関係ないかりんとう饅頭。新潟ではデイリーに売っている。美味いよ。
タイムトラブレター
今週のお題「あの人へラブレター」
拝啓 M.H様
ご無沙汰しております。お元気ですか。
今日、初恋のあなたを夢に見たのでこうしてラブレターを書こうと思いました。
あなたはもう覚えていないかもしれませんが、私とあなたは保育園で出会い、小学校で別れ、そして、中学校で再会しました。
私はこれは運命だと思い告白しましたが、友達のままでいたいとはっきりと断られましたね。どうやら運命は運命でも振られる運命だったみたいです。
中学校を卒業してから、あなたには一度も会っていませんが元気でやってますか。まだ地元にいますか。
いつも元気で笑顔が素敵なあなただから、きっともう結婚していて、子供もいるかもしれませんね。
私の方はというと、あれからたいして変わっていません。
普通に中学や高校を卒業し、大学も卒業しました。今は普通に働いています。
恋人も何人かいたけれど、あなたに片想いをしていた時のような熱い気持ちで付き合えた人はいませんでした。
あなたに会いたいという気持ちは今でもあるけれど、きっとあなたはもう私のことを忘れているだろうし、卒業してから何年も経っているのにこんなことを言われても気持ち悪いでしょうね。
だから、こうして決して届かないラブレターを書きました。
いつかあなたが偶然この手紙を目にして、あぁ似たような人もいたなぁと心の片隅で思い出してくれたら私はちょっとだけ嬉しいです。
いつまでも元気でその笑顔を絶やさないで下さい。
中学生の時の私はあなたのその太陽のような明るい笑顔に救われました。
陰ながらあなたとあなたの大切な人の幸せを願います。
ありがとう。 敬具
H.Y